自分に非があっても、謝ることのできない医師って一定数います。
まあ、医師に限った話ではないとは思いますが、こうして医療の世界(の片隅)に身を置いていると、やはり医師は謝ることのできない人が多いなぁ、と思ってしまいます。
たぶん他のポピュレーションより有意に多いんじゃないかと勝手に思っています。エビデンスはありませんが。私が見てきたのでケースシリーズくらいにはなるとは思いますが。
(もちろん、ちゃんと謝ることができたり、周囲の方と円滑に仕事をされている方もたくさんいます!)
謝ることができないのはプライドの高さ故か
では、なぜ謝ることができないのか。
まず一つ考えられるのは、やはり、プライドが高いんでしょうね。
勉強はできたでしょうから、特に大きな挫折をすることなく医師になる人も結構いると思います。
環境にもよりますが、医師になってからも「先生、先生」ともてはやされれば、中には鼻が伸びていってしまう人がいるのも、致し方ない部分なのかもしれません。
人生において「ちゃんと負けたことがない」という人が一定数いると思います。
謝ることのできないドクターの一例と、そこから学ぶこと
つい先日、こんなドクターがいました。
そのドクターが(それほど重大なことではないですが)ちょっとうっかり忘れていることがあって、それをナースが気付いて、裏でうまく処理してくれていたのでした。
そのことに対して、後で報告を受けたその先生は、自分の尻拭いをしてくれたナースに対して、
「さすがです」
とだけ言っていました。
いや、そこは、まず「ごめん、ありがとう」じゃないのかな、と不思議でした。
そして、そのナースは器が大きい人で、半分冗談っぽく、
「先生、今度からは忘れないでくださいよ!笑」
と言っていたのですが、それに対しても、ほぼノーリアクションというか、つれない返事で、最後の最後までごめんの一言は聞かれませんでした。
まあ、心の中では悪いことをした、とか、謝った方がいいことはわかっているのかもしれませんが、そこはプライドが邪魔しているのでしょう。
それか、謝罪を口にしてしまうと、自分のやったことを否定することになってしまうので、自己の防衛機構として、謝罪しない、みたいなことかもしれません。
その瞬間のナースの何とも言えない表情とか見てると、「人の振り見て我が振り直せ」じゃないですが、悪いと思ったらすぐ謝ろう、という気持ちを強くしました。
とるに足らないプライドなんか捨ててしまって、結果的にその場がうまく回る方がいいですし、お互い気持ちよく仕事していきたいものです。
医療の現場はミスを認めたくない、という心理がより働きやすいかもしれない
あと思ったのは、医療の現場でミスをすると「医療ミス」だったり「インシデント」や「アクシデント」ということになってしまって、そうすると自分に責任が発生するから、余計にミスを認めたくない、ということなのかもしれません。
訴訟リスクもありますし。
ただ、ちょっと前からですが、インシデントなども早めに報告、共有していこうということは提唱されてきていますよね。
その方が、失敗を一人の失敗で終わらせず、皆で共有して、再発防止のためにより良い方法を考えてける、ということだと思いますが、いいことだと思います。
ただ、どの病院も医師のインシデントレポートの提出率は低いようですが。もちろん、看護師は上から出せ出せとすごく言われる、という部分も影響しているとは思いますが。
謝ることのできる人は、仕事ができる
また、見ていて思うのは、間違ったらちゃんと謝ることのできる医師は概して仕事ができる印象があります。
それは、謝ることを含めて、周囲の方と気持ちよく仕事を進められるだけのコミュニケーション能力を有している、というだけでなく、
間違いを認識したら迅速にそのことに対して行動が取れる、ということの証左だからなのかもしれません。
医師としての実力アップなど、何か目的を達成するまでの過程においても、間違ったらすぐに軌道修正して適切な行動を取っていける、だから成長も早い、ということなのかな、と思います。
間違った時はすぐ謝りたい
話がまとまってませんが、要は、間違ったときはすぐちゃんと謝れる人間でありたい、という話です。
間違いを素直に認めた方が、現状を正しく認識できるので、自分の成長や改善にもつながりますし、周囲の方との連携もうまくいくんじゃないかと思います。
なんというか、自分の間違いを認められて、それに誠実に対応している方が、かっこいいです。
ただ、「言うは易し、行うは難し」で、結構難しいことだとは思います。
年齢を重ねれば重ねるほど注意してくれる人が減っていって、自分が自分をちゃんと監督しないといけなくなっていきますし。
自律、ですね。
自律神経に負けないように頑張ります。
まとまりのない話をしてしまって申し訳ありません。
このお話の最後にふさわしく謝罪で締めたいと思います。