女子医大の医師100人退職というニュースを受けて

女子医大の大学病院
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2021年4月下旬、女子医大のニュースが世間を騒がせていますね。

「スクープ!東京女子医大で医師100人超が退職」

なんでも、女子医大の関連病院を含めて医師100人以上が大量退職、とのことです。

そして、(報道の通りであるならば)その背景には、医師はもともと週4勤務+外勤で生計を立てていた中で、

・外勤はできなくなって、女子医大での勤務が週39時間になって女子医大からもらえる給料はそのまま

・週32時間勤務+外勤は継続するが、その場合女子医大からの給料は減額される

のどちらかを選ばされるようになったことがあるとされています。

目次

女子医大は「偏向報道だ」との声明をリリースしているが・・・

報道があったのが、2021年4月20日ですが、女子医大のホームページを見ると、

「例の報道は偏向報道で、例年の退職者数と変わりない。診療に支障はない」

という旨の声明が即日発表されています。

そもそも「100人退職」は異常事態なのか

確かに、そもそも「100人退職することがイレギュラーな事態なのか?」という疑問はあることはあります。

自分もかつて(女子医大ではありませんが)大学病院にいたのでわかりますが、大学病院は医師数も多く、特に年度替わりの4月は医師の入れ替えが激しいです。

なので、大学病院と関連病院を合わせて100人以上退職=即異常事態、とまでは断定しづらいようにも思います。

単に1割〜3割の医師が入れ替わっただけ、という可能性も残るのは残ると思います。

医師の退職者数単体でなく、入職者数とのバランスで考えた方が良いのでは

もう一点、退職した医師数だけが問題なのではなくて、

「新たに入職した医師数がどうなのか」、「結果的に医師数の増減がどうなのか」、

ということを考える必要はあると思います。

辞めた数とほぼ同じ数だけ入職者がいるのであれば、問題はないでしょう。

(一部報道によると、退職者数の方が多いようですが、これも本当かは不明です)

この辺りは公表されていないので、真相は内部にいる人にしかわからないでしょうが。

「事実上の減収となるような制度変更をしたことについてはノーコメント」から見えること

一方で、週32時間(≒週4日)勤務+外勤から

・外勤はなしにして週39時間勤務にして給料はそのまま

・外勤を続けるなら女子医大からの給料を減らす

の二択を提示したことについては、ホームページの声明ではノータッチでした。

この点について、その二択を提示したことがもし事実無根なのであれば、「事実無根だ」というでしょうから、こちらについてはあったものと考えて良いかもしれません。

記事中でも触れられていますが、この二択は勤務する医師にとっては不利益しかありません。

地獄の二択です。

確かに、大学病院で勤務をしているような医師は給与よりも、大学病院にいることで得られるメリット(経験が積める、研究ができる等)の方に重きをおいている人が多いですから、(外勤を合わせた)給与水準が他の市中病院よりも低いとしても、続ける人は一定数います。

しかし、外勤を禁じられて減収するか、外勤は続けるものの女子医大からの給与が減って減収するかの二択であれば、どちらにしても減収することには変わりません。

外勤を続けて女子医大からの給与が減らされることを選んだ場合、実際はどのくらい減収になるのかの具体的な金額が不明ではありますが、ただでさえ少ない給料が減ると痛いのは間違いありません。

少ない給料でもやりがいによってなんとか続けている、というような人でも、さすがに大幅な減収となれば続けることは困難です。

それに、コロナ対応をしている中で、前年のボーナスの件や、経営陣の方針に対する疑念があればなおさらでしょう。

ギリギリの状態で働き続けて、給料が減るという環境では、辞める医師がたくさんいても全く不思議ではありません。

他の病院を探せば、いくらでも勤務先はあるのですから。

【追記】

外勤日の制度変更に関して、女子医大の知り合いに聞いてみたところ、研究日(外勤日)が研究日として認められなくなったというのは、本当のようです。その分、週39時間は大学で勤務するように勤務時間の調整が必要になったようです。

ただ、病棟業務を普通にしてたら外勤日以外の週4日で39時間はそれほど苦もなく達成できる人もそれなりにいるとは思うので、もともと外勤日以外の週4日で週39時間以上働いていた人にとっては、大きな制度変更にはならないようですが。

外勤を継続して、残りの週4日で39時間以上働く場合、大学からの給料が減らされるのかどうかまではわかりませんでした。

大学というのは閉鎖的で、ある種異常な空間です。

ひとたび外に目を向ければ、給与や勤務時間数、負担、ストレスなどの点で、いい意味で全くの別世界が広がっています。

それでも大学に残るのは、

・どうしても教授になりたい

・どうしても大学にいないといけない理由がある(研究など)

・お金には困っていない

・逃げ遅れた

といった人たちなんじゃないかと思います。

もう一年は我慢して様子を見ることに決めたけど、状況が変わらない、もしくは悪化の一途を辿るようであれば、さらに辞める人も出てくるのではないでしょうか。

経営陣の思惑はいかに

他に気になるのは、経営陣は勤務医に対してどうしてあのような地獄の二択を提示したのでしょうか。

人件費をカットしたかったのでしょうが、不利益しかない二択を提示されては多くの医師が辞めるであろうことは目に見えています。

「不利な条件を提示してもどうせ辞めないだろう」と高をくくっていたのかもしれません。

もしくは、一定数の医師が辞めるであろうことは織り込み済みで、さらに先の展開を考えているのかもしれません。

実際のところは不明ですが、女子医大の動向を今後もチェックしていきたいと思います。

ひいては、他の大学がこういった動きに追従していくのか、という点からも目が離せません。

おわりに

今回は女子医大の話題について触れてきましたが、大学病院は大学によって多少の差こそあれ、給与的には厳しいです。

私も大学にいた時は、土日や平日の夜も含めてかなりの時間数働いても、大してもらっていたわけではなく、時給に換算したら飲食店でバイトしてる方がはるかに良い、ということもありました。

大学院生として病棟で働いている時はさらにひどかったです。

外勤の時間以外は休日も含めフルで働いているのに、大学からは手取り10万いかない、ということもありました。

でも、「君たち病院に長くいるみたいだけど自己研鑽の時間だよね。労働と研修(自己研鑽)の時間の線引きって難しいよね」と言ってのけるというパワープレイにより、給与は支給しないのです。

まあ、労働者側としては、辞めたければ辞めればいいですし、それが意思表示にもつながります。

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