大学院で研究をしていた頃、座っていた時間が長かった等の理由で、恥ずかしながら痔になってしまいました。
「まさか自分が痔になるなんて」と痔については完全にノーマークだったのですが、医師(特に研究をする方)は意外となりやすいので、要注意です。
自分自身の体験談を踏まえて、痔のリスクは意外と身近にあるんだ、ということや、健康の大切さについて書いていきたいと思います。
ある日、排便時に痛みと出血が…
まずは、私自身の体験談をお話しします。
大学院生だった頃、外勤で外の病院にバイトに行く以外は、だいたい研究室にいました。
土日も完全に休むことはほぼなく、少なくともどちらかは研究室に行くことも多かったです。
もちろん、自分から行っていたこともありましたが、実験の都合などで行かざるを得ないことも多かったです。
そのため、一日のうち、必然的に座っている時間が長くなっていました。
また、冬場にちょうど自分の実験が忙しくなり、連日固い丸椅子に座り、長時間過ごす日々が続きました。
そんなある日、(こんな話で恐縮ですが)排便時に疼痛を自覚するようになりました。
最初は疼痛は軽度だったのですが、忙しくてなかなか受診もできず、我慢しているうちに徐々に疼痛は悪化していきました。
さらにある日、排便時に出血を伴うようになりました。
これには非常に焦りました。
排便のたびに苦痛と恐怖を感じますし、医師であるだけに悪性の可能性もちらっとはよぎります。
「これはまずい」
そう思い、近医を受診することにしました。
近医を受診。直腸診が激痛だった。
受診したクリニックで、病歴や症状を伝えた後、直腸診を受けることになりました。
患者さんに直腸診をしたことはあっても、自分がされるのは初めてでした。
近医の先生も、そんなに痛いとは思っていなかったのか、結構な勢いで強めに直腸診をしてきたのですが、それが激痛でした。
(その先生の技量というよりかは、僕の痔(裂肛)の状態が悪かったというのもあります)
あまりの激痛に思わず「痛って!!」と大きな声が出てしまいました。
自分は患者ですし、相手はドクターなので、大人しく、失礼のないような態度で過ごすつもりだったのですが、思わず声が出てしまいました。
ただ、調べた結果悪性は否定的で、裂肛とそれに伴う肛門ポリープのようでした。
最近できたものではなく、慢性の経過で、それがその受診当時に悪化したと考えられる、とのことでした。
内服薬と注入軟膏の処方を受けて、終了です。
その後の裂肛(切れ痔)の経過
その後、注入軟膏と内服薬により治療していくと、2-3日で排便時の出血も治まり、疼痛も次第に緩和されていきました。
とりあえずは良かったです。
痔核だったら手術や注射などの大掛かりな治療をしなければいけない可能性もあったので、内服と注入で治まって、よかったです。
裂肛(切れ痔)の予防のためにしたこと
裂肛の予防として、近医のドクターに聞いたり、自分でネットで調べました(ガイドラインにも目を通しました)。
予防策としては、
・連続して座る時間を極力減らす
・こまめに立ったり動いたりする
・円座を利用する
・血流が低下しないように気をつける(着る物やお風呂等)
等があり、これらを実行しています。
おかげで、その後は冬になっても症状なく経過しています。
なかでも、円座は効果が高いような気がします。
医師として働いていたり、研究をしているような方の場合、座る時間を大幅に減らすことは難しいですが、円座があれば、肛門部にかかる負担を軽減することができます。
痔になる人は意外と多い
私の場合は裂肛でしたが、内痔核や外痔核等も含めると、痔になる人は意外と多いようです。
大学時代の友人(医師)も痔になり、手術をした人も知っています。
タクシーの運転手さんなんかは、職業柄かなりの割合で痔になるみたいですね。
それに、「痔になった」というのは一般的には恥ずかしいことだと思うので、痔になっても周りに言わない、ということも結構あると思います。
そのため、自分が思っているより実は痔になっている人って多いんだと思います。
私も、痔になったことは周りの人には言いませんでした。
おわりに:医師も健康を大事に
痔に関して言うと、医師、特に研究をされているような方はなりやすいと思いますので、要注意です。
臨床だと動く機会も多いので、それほど高リスクではないかもしれませんが、研究をされている方などは、座る時間が長くなりがちですので、ご注意いただいた方がいいと思います。
また、痔に限らず、無理をしていると健康を害してしまいます。
いくら稼いでも、いくら社会の役に立とうと、ご自身が健康を害してしまっては意味がありません。
医者の不養生とならないよう、日頃から自分の身体のこともいたわってあげてください。
医師の大学院生活については、↑こちらの記事でも紹介しています。