大学医局の教授は『実るほど頭を垂れる稲穂かな』を地で行く人だった

大学病院と医局の教授
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私が以前所属していた医局の教授は素晴らしい先生でした。

教授は医師としてというだけでなく、一人の人間として、尊敬できる存在でした。

まさに、『実るほど頭を垂れる稲穂かな』を地で行くような人でした。

世には、権力にしがみついたり、論文は書けるんだろうけど人としてどうなんだろう、というような教授も一定数いる中で、尊敬できる教授に出会えたことは、私にとって幸せなことでした。

今回は、私がかつて所属していた医局の教授の尊敬できる点や、「実力のある人ほど偉そうにしない」という点について、書いていきたいと思います。

目次

教授はスーパーマンだった

私がかつて所属していた医局の教授は、一言で言うと、スーパーマンのような人でした。

医師として臨床力もあって、研究では世界的な功績を残しており、それが認められ比較的若くして教授にもなっている。

才能がある上に、人一倍努力もする。

それだけでなく、人間性も素晴らしく、優しく、穏やかで、人当たりもいい。

学生や研修医など含めて、身分が下の人間に対しても決して偉ぶることなく、相手を尊重して接する。

また、周囲の人とうまく協調しながら、仕事を進めていくことができる。

医局員のやる気を出させるのも上手い。

こんな感じで、本当に非の打ちどころのないような人でした。

この教授と出会うまでは、「教授」と言うと、研究で結果は残して入るけど、臨床力はいまいちだったり、偉そうで、下の人間の気持ちなど考えずにトップダウン式に命令を下すようなイメージがあったのですが、この教授と出会って、「教授」というものに対するイメージがガラッと変わってしまいました。

「こんな教授もいるんだな」という感じです。

教授は医局員一人ひとりの気持ちも尊重してくれた

教授は、医局員一人ひとりの気持ちも尊重する姿勢を持っていました。

医局に関して、何か方針を決める時も、ただトップダウン式に命令するわけではなくて、できるだけ医局員の事情や気持ちにも配慮しようとしてくれていました。

医局員から意見があればちゃんと聞いてくれて、それを基によりよいソリューションを提案してくれたり、時に一緒に考えてくれる、そんな感じでした。

根底に愛がありました。

それは、直接言葉にしなくても、医局員に伝わっていました。

この辺、医局長とは大きな違いでした。

医局長は権力を持っているのをいいことに、やりたい放題で、医局員の気持ちは一切お構いなし、でした。

将棋の駒を動かすように、医局員を意のままに動かしていました。そのため、医局長は医局員皆から疎ましく思われていましたし、医局長を尊敬している人は誰一人いませんでした。

ある時、自分が医局のことで少し困ったことがあって、個人的に教授に相談しに行ったことがあったのですが、その時も忙しい中、しっかり時間をとって、親身に話を聞いてくれました。

その中で、自分には思いもしなかったような提案をしてくれて、問題を解決してくれたこともあります。

教授回診の時も温かかった

その他、大学病院で教授回診をする時も、学生や研修医のプレゼンを温かく聞いていたのも印象的です。

自分がポリクリの時など、教授によってはプレゼンの粗探しをするような態度で聞き、少しでも引っかかる点があれば激詰めしてくる教授もいましたが、それとは真逆でした。

減点法でプレゼンを評価してくる教授、いますよね。

(私が所属していた医局の)教授はちょっとプレゼンが拙かったり、うまくプレゼンができていなかったとしても、ちゃんと最後まで聞いてくれた上で、気になる点を一つひとつ優しく確認していく、という形でした。

だから、プレゼンする側も余計な緊張感もなくプレゼンしやすいので、患者さんに関する細かな情報などもプレゼンに盛り込みやすくなります。

その結果、教授の元にも患者さんに関する情報が集まってくるので、教授もより詳細に患者さん一人ひとり病状を把握することができます。

そうるすと、教授がベッドサイドで患者さんと直接お話しをする際も経過などがしっかり頭に入っているので、的確に患者さんの不安に寄り添うことができていました。

実力のある人ほど偉そうにはしない

稲穂

冒頭でも触れましたが、

『実るほど頭を垂れる稲穂かな』

という言葉がありますが、真理だと思います。

実力のある人は、自分に自信もあるし、無理やりそれをアピールしなくても、周囲にも認められる。

そのため、自分を飾ったり、大きく見せようとする必要はなく、自然体で、腰が低い傾向にあります

実力があれば、無駄に自己顕示などする必要がないのです。

私がこれまで出会った中で、「本当にすごいな」と思った人は、皆偉そうにすることなどなく、腰が低く、物腰の穏やかな人でした。

一方、偉そうにする人は多いですよね。

また、権力に物を言わせて、無理やり周囲の人を自分に従わせる人も同様です。

こういった人は、真に実力がある人ではありません。

偽物です。

確かに、ある時一定の結果は残して教授(や権力ある立場の人間)になったかもしれませんが、「偉そうにする」ということは、本当は偉くないことの証左です。

満たされない承認欲求を振りかざしているだけ、とも言えます。

本当に立派な人物は、それをアピールする必要はありません。

若い時にあの教授に出会えたことは幸せだった

私にとって、後期研修医という医師のキャリアの初期に、尊敬できる教授に出会えたことは非常に幸せでした。

医師としてだけでなく、人としても、多くのことを学ばせてもらいました。

一口に教授と言っても、十人十色です。

近くの大学の教授は、パワハラしすぎで医局員に告発されて、クビになった人もいましたから、それを考えると、私は恵まれていたな、と思います。

(教授は素敵な人でしたが、「医局」自体には私は合いませんでしたが)

歳をとっても柔軟な思考を失ってはいなかった教授

さらに教授の尊敬すべき所はあります。

それは、思考が柔軟で、頑固でなかった点です。

歳をとっていくにつれて、経験してきたことやそれに基づく成功体験が増えるため、自分の経験や考えにそぐわない考えは排除してしまいやすくなる傾向にあると思います。

いわゆる、頑固親父、というやつですね。

もちろん、本人が培ってきた経験自体は価値があるものだとは思いますし、職人仕事のように、頑固であることが重要なこともあるとは思います。

しかしながら、自分の経験に基づく知見だけでは対応できないことも世の中にはたくさんありますし、そういった場合は、謙虚に外からの知見を参考に対応していく必要があると思います。

そういった意味で、教授は非常に柔軟な思考の持ち主でした。

自分の意見に固執することはなく、若い人の意見にも耳を傾け、それが納得できるものであれば、積極的にその意見を採用していました。

そして、教授がそういった姿勢だからこそ、周囲の人も忌憚なく意見することができるため、教授のものとには重要な情報がどんどん集まっているように見えました。

こういった柔軟な姿勢も、見習いたい点の一つでした。

教授になれるのは一握り

教授のポストに就けるのは、ごく一握りです。

一つの医局だと一度教授が決まると、原則定年まで教授は変わりませんから、そう考えると15年とか20年に一人くらいしか教授になれないわけです。

(私はもう医局を辞めましたが)私の所属していた意欲の場合、尊敬できる先生が教授だったのでよかったですが、そうでない人が教授になったら目も当てられません。

また、最初はちゃんとしていたけれど、教授になって長くなってくると、権力に溺れていくというケースもあるでしょう。

最近でも時折どこぞの教授が新聞紙上を賑わせていますよね。

所属医局の教授が尊敬できる場合はいいですが、そうでない場合は、環境を変えるのも選択肢の一つだと思います。

嫌々ながら現在の教授の定年まで辛酸をなめ続けるよりかは、自分がストレスなく力を発揮できる場所を探す方が良いと思います。

医局に所属していると、同じような境遇の人と接する機会が多いですから、どうしても視野が狭くなりがちです。

苦しい想いをされている方は、一度外の世界に目を向けてみるといいかもしれません。

おわりに

本記事では、私のかつての所属医局の尊敬できる教授についてと、そこから思うことを書いてきました。

教授になりたい方にとっても、そうでない方にとっても、参考になりましたら幸いです。

所属医局の教授や部長とどうしても相容れない場合は、環境を変えるのも一考の価値があると思います。

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