今回は、私が医局・大学病院にいた頃の話をしたいと思います。
医局に入った頃は、自分で言うのも何ですが、若さもあって、割と「活きがいい」方だったと思うのですが、医局に入ってからは徐々に、医局の上層部に「牙を抜かれていく」感覚がありました。
数ある組織の中で、最高峰に保守的な組織である医局としては、異分子は徹底的に排除したかったのでしょう。
体験談も含めて、詳しくお話していきます。
入局時は自由で、活きが良かったはずの私
私は、後期研修で医局に入局したのですが、大学病院の臨床は大変でした。
患者さんの診療などやるべきことをやって大変、というよりは、余計なカンファ、雑用や意味のないローカルルールにより、時間をどんどん持っていかれる、そんな日々でした。
大学病院は合わないな
と1ヶ月も経たないうちに感じました(し、その感覚は医局、大学病院を辞める時まで変わりませんでした)。
そんな背景に加え、本質的に価値がないルールに盲目的に従うことをしたくない私の性格も相まって、意味がないと判断したローカルルールなどは自己の判断で無視したり、改変していました(若さ故といったところでしょうか)。
医局長に牙を抜かれる
しかし、それを医局が許すはずもありません。
彼らにとって、ルールがどれほど形骸化しているかは関係なく、そのルールを守ることこそが全てであり、正義なのです。
マニュアル原理主義過激派とでも言っておきましょう。
そんなわけで、入局して最初の数ヶ月で、何か事あるごとに、私は医局長に呼び出され、お説教をされたのでした。
反論をしても意味がなさそうだったので、反論はしませんでした。
ということがあってからは、私も完全には納得していないながらも、波風を立てないように過ごさざるを得なくなっていきます。
いくら相手が間違っていようと、どれほどおかしなシステムであろうと、それに従わないも者は徹底的に調教、洗脳、矯正される。「それが医局なんだ」と実感しました。
研究中にも理不尽な経験
牙を抜かれた体験はまだ他にもあります。
研究をしていた頃、とある件で、担当者が当日不在のため、代わりに私が最後の手続きだけを手伝う、ということがありました。
「当日ちょっと手続きするだけならいいか」と軽い気持ちでその仕事を引き受けることになりました。
当日、言われた通りに作業を終えたのですが、後日、その手続きに誤りがあったことが発覚しました。
原因を調査すると、指示された内容がすでに間違っていたので、本来私に非はないはずでしたが、別の責任医師に注意を受けました。
私としては、そのプロジェクトのことはよく知らないので、修正のしようもなかったのですが、そんなことはお構いなしです。
そのドクターからは、
悪くないと思っても謝るんだよ
と言われました。
その場ではとりあえず謝罪をしましたが、私の中での不服感が消えることはありません。
まあ、それが大人になるという事なのかもしれませんが、それが世に言う大人なんであれば、そんな大人にはなりたくないですし、そういう考え方が蔓延っている組織からは離れよう、と思いました。
牙を抜かれる先輩医師と後輩医師
医局に牙を抜かれたのは何も私だけではありません。
先輩も、後輩もです。
先輩に関しては、私が医局に入った頃にはすでに牙は抜かれたようでしたので、直接牙を抜かれるところを目撃したわけではありませんが、牙を抜かれたことは明らかでした。
自由さや創造性は鳴りを潜め、上から言われたことを淡々とやっているように見えました。
後輩も同様です。
ある年、自分の2学年下の後輩が医局に入ってきたのですが、その先生も活きがよく、活気に満ちていました。
当初は発想も自由で、創造性を持って仕事に取り組んでいました。
密かに彼には期待していたのですが、その彼も例に漏れず、医局のしがらみに囚われ、次第に覇気を失っていきました。
そして、1年が経つ頃には、大人しく保守的で、平凡なレジデントなってしまっていました。
まるで別人でした。
これが医局の持つ闇の力か、そう思わせられました。
医局の窮屈で不寛容な空気
上述の通り、少なくとも私が所属していた医局には、窮屈で、保守的で、何事にも不寛容な空気が充満していました。
そんな体制ですから、当然、日常的に問題が生じます。
そんな時は、教授や医局長といった上層部がトップダウン式にルールを改変するなどしてきますが、現場を知らない人間の考えることですから、それでも当然うまくいきません。
困った彼らは医局会議などで広く意見を求めますが、これまで意見することを禁じられてきている医局員は意見を述べないか、言ったとしても無難な意見しか言いません。
そうして、何も解決せず、制度が改悪されていくだけ。
「こんな土壌では良い作物は育たないな」、そう感じました。
この組織を変えるよりも、自分が変わった方が早い、そう思い、私は医局を辞めました。
おわりに
今回は、私が経験した、医局が通過儀礼的に医局員の牙を抜きにくる話と、医局の窮屈な空気について書いてきました。
医局に入るべきか検討されている先生の一つの参考になりましたら幸いです。
現在すでに医局に所属されている先生にとっては、今後について再考するきっかけとなりましたら嬉しく思います。
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