医局を辞めたいなあ…
そうお思いの方も多いのではないでしょうか。
本記事では医局を辞めることを検討されている方に、医局を辞める理由にはどんなものがあるのか、実際に医局を辞めた経験のある私がご紹介していきたいと思います。
それでは、早速ですが、一つ一つ見ていきましょう。
医師が医局を辞める理由
給料が少ない、経済的理由
一般に、大学病院/医局だと市中病院に比べて給与水準が低いことが多いです。
ご自身の生活費や趣味にかかる費用、子供の教育費、学会費、税金、などなど…
何かと出費も多い中で、大学からの給料と与えられた外勤だけでは収入が不十分で、夜間や土日祝に個人的に外勤、バイトをしているドクターもいます。
先に医局を辞めたドクターや、大学時代の同期などの話を聞いて、
そんなに稼いでるんだ…
と感じるケースもあるのではないでしょうか。
今の稼ぎでは足りない!もっと給料のいい病院に転職したい!
という経済的理由を医局を辞める理由として挙げる方もいるでしょう。
体力的にしんどくて続けられない
大学病院、医局所属だとどうしてもオーバーワークになりがちです。
医局にいる先生方は真面目な先生が多く、ついつい無理をしてしまいがちです。
(時々、うまいことゆるめに働いているドクターもいますが…)
本記事をお読みのあなたも、お心当たりがあるのではないでしょうか。
あなたの健康が何より大切です。
しんどい…もう限界だ…
そう思っているなら身体を壊す前に辞めましょう。
もっと自由な時間が欲しい
医局に所属していると拘束される時間が非常に多いです。
大学病院における臨床は無駄が多く、患者さんの診療以外に余計な時間を取られます。
書類仕事や長い長いカンファなどですね。
その他、臨床以外に医局固有の業務、雑用もあると思います。
それに、研究、実験をしているとさらに時間はなくなります。
論文を書くのも一筋縄ではいきません。
さらに、教育を担っている方もいらっしゃるでしょう。
一日何時間あっても足りない!
そんな状況の中で、くたくたになりながらも何とか与えられた仕事を全うしようとしている方も多いと思います。
当たり前ですが、
「何かをする」ということは、
「それ以外のことはできない」ということです。
これは、「機会費用」という考え方です。
あなたは本当に自分のやりたいこと、やるべきことに打ち込めていますか?
時間は何より貴重で、時間こそ人生といえます。
医局内の人間関係に疲れた
医局という組織は人間関係のしがらみの多いところです。
・教授と馬が合わない
・上司に雑用をたくさん振られる、干されている
・同僚との出世競争、見栄の張り合い、雑用の押し付け合い
・後輩医師との軋轢
・当直を誰がやるのか問題
・・・
などなど、挙げ出したらキリがなさそうです。
気苦労も多いでしょう。
「過去と他人は変えられない」といいますが、相性の良くない相手に変わってもらうのは困難です。
症例経験が積めない、キャリア上の理由
現在の環境だとできる手術や診れる疾患の種類が限られていたり、もっと症例数を多く診て経験を積みたい場合もあるでしょう。
上述の「体力的にしんどくて続けられない」場合とは違って、前向きな理由ですね。
他の病院にいけばこういう経験がつめる
バリバリ自分が執刀できる病院に行きたい
という理由で辞めるケースもあります。
また、
このままここに居てもこれ以上は成長できないだろうな…
と限界を感じる場合もあるでしょう。
研究に疲れた、研究関連
大学、医局の活動としては、臨床、教育、研究が主な柱となります。
大学では臨床だけをしていればよいわけではありません。
そのため、医局に所属するということは、必然的に大なり小なり研究にも携わる、ということになります。
研究というのは簡単に結果が出るわけではありません。
むしろ、なかなかうまくいかないことの方が多いでしょう。
体力的にしんどいだけでなく、時間と予算には限りがありますから、常に「結果を出さなければいけない」というプレッシャーが付きまといます。
こんな生活続けられないな…
そう思って研究生活、医局を辞めるケースもあるでしょう。
その他、研究が一区切りついて、臨床だけの生活に戻りたい、という場合などもあるでしょう。
学位(医学博士)や専門医を取得して目的を達成した
もともと
「学位(医学博士)や専門医を取得する」
という明確な目的のために医局に所属していた、という場合もあるでしょう。
その場合は、目的を達成したら去る、という選択を取る方もいるでしょう。
留学関連
一度は留学をしたい!
というドクターも一定数いらっしゃるのではないでしょうか。
医局に所属している方が留学はしやすいでしょうし、留学を終えたので医局からは離れる、という場合もありえます。
その他、
留学したかったもののどうやら留学ができそうにない(あるいは、気が変わった)。だったら、必ずしも医局にいる必要はない。
と考える方もいるかと思います。
教授を目指していたが諦めた
絶対教授になるんだ!
そう誓い頑張ってはきたものの、皆が教授になれるわけではありません。
道半ばにして諦める方、そもそも他に目指すべき道を見つけた方もいるでしょう。
その他、教授に限らず、医局に残るためのポストには限りがあります。
椅子取りゲームに敗れた、あるいは勝てる見込みが低そうだ、など医局内での出世の見込みが薄くなったことが、医局を辞めるきっかけになることもあるでしょう。
異動、転勤の負担が大きい
医局に所属していると、医局に出向という形で関連病院での勤務を命じられることもあります。
そして、時にかなり遠方の病院へ行かざるを得ない場合もあります。
半年や数ヶ月でまた別の病院へ、ということを繰り返す例もあります。
家族と離れ離れになってしまったり、大切な人と過ごす時間が減ってしまうこともあるでしょう。
新天地に赴く場合、引っ越しの費用や労力といった負担もあります。
(※費用については負担してもらえる場合もあります)
それに、異動に伴い、引き継ぎという業務も発生します。
自分の外来の患者さんの割り振りなどにも神経を使うでしょう。
また、新しい環境へ適応していかなければなりません。
・仕事量や勝手が違う
・カルテのシステムが違う
・ローカルルールを覚えなければならない
・人間関係をまた構築していかなければならない
・前の病院での評価や信頼関係もリセットされてしまう
など、負担は小さくはありません。
「自分がどこで働くか」といった基本的なことを決める権利を、自分ではなく、医局に握られているのです。
ストレスも大きいでしょう。
開業したい
ある程度臨床経験を積んでくれば、開業をする方もいるでしょう。
開業が理由であれば、医局からの理解も得やすいと思います。
開業に備えての準備は大変です。
これまでいち労働者であったところから、急に経営者になるわけですから、学ぶべきこと、考えるべきことは枚挙にいとまがありません。
転科したい
転科はケースとしてはあまり多くはないかもしれませんが、開業を見据えて転科をする場合などもあるでしょう。
病気、健康問題
ご自身が病気になってしまったり、身体を壊してしまうこともあります。
激務で身体を壊してしまっては元も子もありません。
体調を崩してまで仕事をしなければなりませんか?
何のために生きていますか?
今の生活、働き方に少しでも疑問をお持ちの方は、一度考えてみられてもいいかと思います。
ストレスやハードワークにより体調を崩した場合、仕事量をセーブしたり、静養が必要です。また、通院にも時間的余裕が必要です。
それに、一時的に症状が改善しても、また元のハードな働き方に戻ると再度体調が悪化するしてしまうこともあるでしょう。
「医者の不養生」なんてことにならないように、医局を辞めるというのも選択肢の一つです。
結婚、婚約
こちらはおめでたい理由です。
結婚を機に、ご自身あるいは奥様の実家に帰る、という場合もあるでしょう。
もしくは、結婚という大きなライフイベントを契機に今後のことを考えた結果、
時間的余裕のある生活がしたい
激務な割に薄給な生活を一新したい
という方もいるでしょう。
妊娠、子育て
こちらもライフイベント関連です。
女医さんの場合でしたら、妊娠をきっかけに、仕事量をセーブしたり、産休・育休を取られる方も多いかと思います。
男性医師の場合も、奥様の妊娠中はサポートが必要になりますし、時間的余裕があるに越したことはありません。
また、お子さんが産まれてからも子育ては大変な時期が続きます。
共働きであればなおさら大変です。
毎日の保育園への送り迎え、お子さんが急に熱を出したり、と色々と手がかかります。
それに、お互いの実家から離れて暮らしている場合は、親の力を借りることもできず、突発的な出来事にも対応できるようにしておかないといけません。
日々の成長を見守ることもできません。
パートナーの負担も大きくなってしまうことでしょう。
お子さんのためにも、激務な医局を辞めるという決断をされる方もいるでしょう。
子どもの教育や環境のために引っ越す
こちらもお子さん関連の理由です。
ドクターは教育熱心な方も多いでしょうから、
どうしてもこの学校に行かせたい
子どもにはこういった環境で育ってほしい
という場合もあると思います。
お子さんを一人で遠くの学校まで通わせるわけにもいかないから、引っ越してしまう、
そのため現在の医局で勤務し続けることができなくはないものの難しい、という場合も中にはあるでしょう。
離婚
悲しいことに、結婚した夫婦の約3組に1組は離婚する時代です。
家庭を顧みず働いた結果、いつの間にか夫婦の距離が離れていき、気が付いたときには三行半を突きつけられ離婚、というケースもあるのでしょうか。
(離婚までいかずにATM化しているケースも多いようですが…)
また、離婚などネガティブなニュースはあまり表に出回りにくいため、実際に見聞きするよりかは多くのカップルが離婚していると見込まれます。
お子さんがいる場合は子育てのために、時間にゆとりのある職場で働く必要がある場合もあるでしょう。
また、離婚後に新たに良縁があっても、激務のままでは同じようにまた離婚してしまう可能性もあります。
親や家族の病気、介護
親御さんやご家族のご病気、あるいは介護をするために、医局を辞めるパターンです。
自分のことで精一杯の生活では、誰かの面倒を見ることは難しいでしょう。
特に、介護となると、社会資源の力を借りたとしても、家族の負担は決して小さくはありません。
また、ご家族が入院しているなどで自分が直接的に面倒を見ることはあまりなくても、
今の生活だと家族と大切な時間を十分に過ごすことができない…
と感じる場合もあるでしょう。
それに、親の死に目に会えない、という事態だけは避けたいものです。
実家に帰る
結婚や介護など、何らかの理由により、実家に帰る場合です。
実家が医局からは遠方などで、物理的に通うことが難しい場合は、
実家に帰るので辞めます
と言っても医局の理解も得られやすいと思います。
起業する
こちらは少数派かもしれませんが、医師として勤務する以外に起業する方もいらっしゃるでしょう。
スタートアップには多大な労力を必要としますから、医局を辞めて時間とエネルギーを確保する、という場合もあるでしょう。
もしくは、副業として始めたスモールビジネスが軌道に乗ってきて、医師としてしゃかりきに働かなくても食っていける、という状態になる場合も考えられます。
医師を辞めて別の仕事に就く、リタイアする
こちらも起業する場合と近いですが、医師を辞めて、医師以外の仕事を始める場合もあるでしょう。
聞いた話ですが、医師を数年で辞めて、外資系金融機関に華麗に転身した方もいるようです。
その他にも大家さんや作家になったりと、思いのほか医師以外のキャリアも広がっています。
医師の皆様は能力の高い方が多いですから、本気でなろうと思えば何にでもなれる、という部分もあると思います。
さらには、財をなしてリタイアする方もいるかもしれません。
まとめ: 医局を辞める理由は人それぞれ
本記事では、医師が医局を辞める様々な理由をみてきました。
もちろん、他の理由で辞める場合もあるでしょう。
これをお読みのあなたは、いずれかに当てはまりましたか?
また、
こんな理由で医局を辞める人もいるんだな
という発見があっただけでも視野が広がると思います。
医師の価値観も多様化してきている昨今、「医局に所属する」という生き方が全てではないと思います。
また、同じ「A」という行動を取る際に、他の「B」や「C」の存在も知った上で、自分の意志で「A」を選択しているのと、「A」という選択肢しか知らずに「A」という行動を取っているのでは、そこには大きな違いがありますよね。
医局を辞めることを考えているなら、事前に転職先の目星をつけておく必要があります。
そして、転職を考え始めたその日から、求人を見たり、転職活動を開始することが重要です。
日頃から求人を見ておけば、希望条件に合致する職場を探し当てられる確率が高まりますし、
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行動しなければ何も変わりません。
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・
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